塩と漢字と絵と雑談と…

いらっしゃいませ。ここでは主に漢字と趣味の話をしばしば綴ります

漢字小話 其の陸

 お久しぶりです。長らく放置してしまいましたね…ごめんなさい。
 今回は漢字小話です!

 さあ、漢字の基本に立ち返ってみましょう。今回は漢字の"音(おん)"について。
 音、といえば、音読みのことです。音読みは、中国の読みの音を日本語に当てたものです。
 たとえば、「明」はピンイン(中国語の発音を表す記号)で表すと「míng」で、「ミン」と上がり調子で読みます。それを当時聞いた日本人が、「メイ」と訳しました。
 主に日本人の耳コピで訳したので、似たような音である漢字もあるし、あれ?っと思う音の漢字もあります。

 音読みには4種類あり、一般的に皆さんが使っている読み方は、『漢音』といいます。奈良時代から平安時代にかけて、遣唐使や留学僧が日本に持ち込んだ読み方です。大方の熟語がこの読み方です。

 次に『呉音』。これは5・6世紀頃に伝わった音です。つまり『漢音』より前に輸入(?)された音です。誰がどう持ち込んだかは、定かになっていません。この読みは、仏教用語によく使われています。

 3つ目の『唐音』は、鎌倉から室町時代にかけて、禅僧の留学や貿易によって持ち込まれた読みです。そのため仏教用語の中でも、とりわけ禅宗用語に使われます。

 最後は『慣用音』です。これは上記のどの音にも属さない音で、多くは読み間違いがそのまま定着したものです。

 実際にはどの音がどのような音をするのでしょう。……ん?分かりにくいな。えっと、どの音(おん)がどのような音(おと)をするのでしょう?……振り仮名ふらないと分かりにくいや。

 さて、今回の副題である<建設と建立>、この二つをそれぞれ読むと「けんせつ」「こんりゅう」です。同じ「建」でも読み方が違います。
 この二つの読みを先ほどの分類に分けると、「ケン」は『漢音』、「コン」は『呉音』です。
 「ケン」の読み方は前述のとおり、『漢音』です。また「設」の「セツ」も『漢音』です。説明するまでもなく、ごく一般的な熟語構成です。「勇気」「学校」「惜敗」などがあります。

 一方「コンリュウ」と読むこの熟語。これは「建」だけではなく「立」も『呉音』の読みです。『呉音』で構成された熟語なんですね。前述のとおり『呉音』の言葉は多く仏教用語に使われるのですが、この「建立」も普通の建物ではなく、仏堂・仏塔を建築するときに使う語です。ほかにも、「殺生」「修行」「権化」などの用語は、すべて『呉音』です。

 今は一般的になっている『漢音』ですが、実は昔、一悶着ありました。『漢音』が日本に来るより前に入ってきたのは『呉音』です。そのため古代の人々には漢字を『呉音』で読むのが一般的でした。そこへ新しい発音である『漢音』が入ってきたのです。『呉音』から『漢音』への切り替えは大変だったらしく、当時の大学寮の学生に対して勅語が出たほどです。かなり厳しかったみたいです。その結果、中国の書籍などは『漢音』で読む習慣が根付きはじめます。ただ、仏典などは『呉音』の定着は強く、『漢音』には改まりませんでした。それが現代まで続いているのです。

 ちなみに、『呉音』は仏教用語だけでなく、日常使う語にもあります。「屏風」「正月」などです。また、「自・城」などは普段使う読みが『呉音』です。『漢音』だと「シ・セイ」と読みます。さらに「『漢音』+『呉音』」、またはその逆の組み合わせの熟語もあります。「食堂」「怪力」などです。

 さて、残りの二つを説明しましょう。……なんか長くなりそうです。
もう十分長いですけど(;^_^)

 『唐音』は、物の漢語に多いです。理由は上記のとおりです。「行灯(アンドン)」「炭団(タドン)」「瓶(ビン)」などです。「木綿」の「モ」や、「饅頭」の「ジュウ」もそうですよ。『唐音』はこれくらいしか説明しようがないです……

 最後に『慣用音』です。慣用と表すくらいなので、多くは誤読や『呉・漢音』の混合などによって生まれ、そのまま定着、慣用されるようになった読みです。
 例えば皆さん、「輸」の漢字は当然「ユ」と読んでると思うのですが、本来は『漢音』は「シュ」、『呉音』は「ス」と読みます。何で「ユ」と読むのかというと、おそらく、「愉快・比喩・教諭・治癒」の音符が「兪」であれば全部「ユ」と読むので、それにつられて「輸」もそう読むように定着したのでしょう。しかしあまり一般的でない漢語は、本来の読み方で読みます。「輸実」は「ユジツ」ではなく「シュジツ」です。
 他にも「茶」の「チャ」や、「平」の「ヒョウ」もそうです。


 いろいろと説明しましたが、知識としては『漢音』と、『呉音+漢音』があるということを頭に入れておけば大丈夫だと思います(≧ω≦)b
 他の二つはあまり使われないので、そういうのがあるという認識だけで十分です。

 とっっっても長くなってしまいました。でも音読みについてはなかなか省略できないので、これが精一杯です(〃゚д゚;A

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  1. 2014/04/23(水) 22:58:08|
  2. 漢字小話
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  4. | コメント:1
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コメント

記述を読ませていただきました、もすという者です。
今日Twitterであなたをフォローさせていただきまして、ツイートからこのブログにたどりついたんですが、中々漢字について詳しいんですね(゚ω゚)
日本には漢字の読み方が幾つかありますが、韓国の場合は漢字は一字一音が原則みたいですね。中国はどうだか知らないんですけど方言で音が変わるんでしょうか。
呉音は和音とも呼ばれる事もあるみたいです(聞いたことないけど)。呉音がかなり定着していた証ですね。
あと面白いのが、漢字の使用としてはかなり古い、稲荷山古墳の鉄剣の漢字は、古韓音を使ってるという事です。先人たちは外国語の文字を日本語として使うのに苦労したんでしょうね...
長文失礼しました。ついつい長くなっちゃいました。
  1. 2014/04/29(火) 19:36:16 |
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